2015年5月10日日曜日

戯曲【憎しみ】


戯曲【憎しみ】 powered by ピアプロ

0——

…憎しみ
憎しみについて
語ろうか

1——

其れは優しい蒲公英
アスファルトを破り咲く
土と種が芽が【出て、】
砕かれ成形された岩を破る

岩は砂に
何れ変わることを待ち望んだ
粘質に許されず
縛りつけられたとき
せめて堅くあろうと誓った

其れをなんだい?
可憐な花が咲いて
まるで私が花を苦しめていたかの様
演者たちの望みは
私を破り棄てるのさ

運命の花嫁は
当然の帰結 契る
懐胎に花びらが舞い踊る

桜の朝
訪れた娘は
花に仮託された私だよ!
堅く仮託され
形を変えて失い壊される

2——

其れは悲しい満月
非情の欠片振りまく
綿の蛍無数の
祈り届くよう信じ飛び続ける

光は月に
何れ交じることを待ち望んだ
気流に惑わされて
叩きつけられたとき
刹那脆く無謀と悟った

其れをなんだい?
まばゆい光射して
まるで世界が朽ちる夢嘲笑うかの様
演じきれない芝居なら
世界を覆い尽くすのさ

妄想の母君は
白む景色に誓う
曖昧に灯火が照りつける

時が流れ
ゆきずりの娘は
光に脆く散る私だよ!
脆くも砕かれ
残りし感覚は瞳に映るものだけ

3——

砕かれるのなら
種を覆うアスファルトに
望んで乞うて
成ろうじゃないか

灰の花
月の欠片
歪んだものは美しいか?

この瞳に映るもの
其れこそが【憎しみ】
粘質の、硬度
 

1 件のコメント:

  1. 動画化、ワクワクしながら待ってるよー

    まさ

    そして「依存女」に、ぶん投げてやりたいっすよ、やりませんが。

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